こんにちは!
今日はですね、「準備ってほんとに大事なんだなあ…」と思わされた、ある全国大会での実話をもとにお話しします。
もうこれ、テニス関係の保護者の方にも選手にも聞いてほしい話なんです。 なにがあったかというと──
ホテルに靴を忘れた、全国大会の朝
ある年、全国大会に出場する選手を引率していたときのことです。
朝、選手が「……あれ? 靴がない」と言ったんですよ。
いやいやいや、そんなはずは……と一瞬思ったものの、ホテルの部屋に置き忘れてきたことが判明。 そのときの選手の顔、真っ青でした。
「これはやばい」と判断して、僕だけホテルに戻り、なんとか靴を回収。 選手は予定通り会場に入りました。
が、その間、ご飯を食べるタイミングを完全に逃していたんです。 途中コンビニに寄ったんですが、選手は完全に“試合どころじゃない”精神状態で、何も口にできず。
開会式中に、ふらついた
そして、練習を終えて開会式が始まった頃──
選手が、フラッとよろけました。 明らかに様子がおかしい。
スタッフさんにすぐ対応してもらい、椅子に座らせて、少しずつ水分と糖分を摂ってもらって……。
内心、もう本当に焦りました。
「終わったかもしれない」 という言葉が頭をよぎったのは、コーチ人生でもあの時だけです。
持ち直したのは、言葉と空気
でも、そこで救いだったのが、周りの言葉の力でした。
僕は選手にこう伝えました。 「焦らなくて大丈夫。今は、できるだけ回復して、試合に臨めるようにするだけ」
本音ではドキドキしてましたけど、それは見せなかった。 というか、見せられなかった。
そして、横にいたお母様が言ったんです。 「大丈夫、いけるよ!」
たぶん、内心はものすごく焦っていたと思います。 でも、口に出した言葉は、すごく強くて、前向きで、安心感のあるものでした。 その一言が、選手を落ち着かせてくれたんじゃないかと思っています。
試合には出られました。そして、まさかの…
その後、選手は少しずつ状態を回復させて、予定通り1回戦に出場できました。
そして……なんとその大会、優勝しました。
もうね、これが現実の話って信じてもらえないかもしれません。 でも、事実なんです。
「準備って大事だよ」と何度言うより、この経験だけで全部伝わるなと思いました。
試合前に整えるための「段取り術」
こういう経験から学んだのは、段取りの重要性です。
体調を整える、持ち物を準備する、時間を逆算する── 全部「当たり前」のように見えて、やれてないと“命取り”になる。
以下は、選手や保護者の方にぜひ意識してほしい「準備の段取り術」です。
試合前の段取り、基本の流れ
- 前日夜:持ち物の最終チェック(←靴、大事)
- 試合スケジュール確認:集合時間、試合時間、ヒッティング時間などを紙でもスマホでも確認
- 朝起きる時間を決めておく(睡眠はめちゃ大事)
- 朝食は必ずとる(食欲がなくてもゼリーやバナナだけでも)
- 移動時間を逆算して会場入り
- ウォーミングアップの内容をあらかじめ決めておく
この準備を“選手自身が自分でできる”ようになってくると、試合に集中する余白が増えるんです。
コートに立ったときに、「あとはやるだけ」って気持ちで入れる。 それだけでプレーの質がまるで違います。
最後に:保護者の一言が支えになる
あのときの「大丈夫、いけるよ!」っていうお母様の言葉。 本当に救われました。
保護者の不安って、子どもに100%伝わります。 だからこそ、あえて強い言葉で支えてあげることが、何よりの準備になるのかもしれません。
準備って、派手じゃないし、試合結果に出るとは限らない。
でも、「準備ができていたかどうか」は、選手の自信にも、落ち着きにも、心の安定にも繋がっていると実感しています。
全国大会で学んだ“段取り力”の大切さ、これからもずっと伝えていきたいです。
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