「生かすも殺すも指導者なんだな」と思った話。
きっかけは、1本の動画だった
こんにちは。今日はとても心を打たれた動画を見たので、その話を書こうと思います。
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あるスポーツ現場で、子どもが失敗してしまったときのコーチの対応が映っていました。子どもは明らかに落ち込んでいて、目を伏せて肩を落としていました。
そこでコーチは、ゆっくりとその子に近づいて、しゃがみました。子どもの目線に合わせて、静かに話しかけ、そして、そっとハグをしたんです。
これを見て、「生かすも殺すも、指導者しだいなんだな」と、心から思いました。
テニスの現場でも、同じことが言える
僕自身、テニスコーチとして長年ジュニアの育成に関わってきました。試合に負けて泣いている子ども、悔しさをどう出していいかわからず無言になる子ども、いろんな場面に立ち会ってきました。
そして、そんなとき、どんな言葉をかけるかよりも、「どう寄り添うか」のほうが圧倒的に大事だと感じています。
言葉よりも、“安心できる空気”が子どもを変える
技術的なアドバイスなんて、その瞬間の子どもには入ってこないんです。心が閉じてしまっていたら、どんなに正しいことを言っても届きません。
それよりも、「負けても、あなたは大丈夫だよ」という空気を出すこと。目線を合わせる、黙って隣に座る、ただ背中をさする――。そんな関わり方が、次にもう一度頑張るための力になる。
実際の試合で、僕ができたこと
以前、うちの選手が大きな大会の初戦で負けてしまったことがありました。
本人も悔しさを抱えきれず、しばらく言葉が出ないような時間が流れていて。
僕は何も言わずに、その子の横にただ座っていました。
数分経ったあとに、かすかに聞こえた「ごめんなさい」という声に、
「ここまでよくがんばったよ」とだけ返したのを覚えています。
それが正解だったかはわからないけど、
「またがんばってみようかな」って、その子が少し前を向いたことだけは、確かです。
コーチにできるのは、“次の一歩”を支えること
コーチって、魔法使いじゃない。奇跡を起こすことなんてできない。でも、“次の一歩”を支える関わり方はできる。
そしてそれは、大きな声や長い説教ではなく、静かなまなざしや、温かい沈黙、短い言葉だったりするんですよね。
生かすも殺すも、指導者次第
これは脅しではなく、希望だと思います。
僕らの関わり方ひとつで、子どもはまた立ち上がることができる。
今日見た動画の中のコーチの姿勢は、まさにそれを体現していました。そして、自分もまた、そんな存在でありたいと思わされました。
失敗を責めず、勝ち負けに一喜一憂せず、目の前のその子にとって何が一番大切かを考える。それが、僕のテニス指導の軸です。
この記事を読んでくれた方が、子どもや選手に関わるとき、「寄り添う」ことの力を少しでも信じてくれたら嬉しいです。
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