こんにちは、テニスコーチのakiraです。
「試合中、自分のプレースタイルをどこまで貫けばいいのか?」
これ、選手でもコーチでも、すごく悩むテーマですよね。
実は最近、日本ランキング上位の小倉孝介選手と、元ATP60位の伊藤竜馬選手がこのテーマで話しているのを見て、すごく学びがあったんです。
今回はその対談内容をもとに、戦略を変えるタイミングの考え方について、少し深掘りしてみます。
🎾 小倉選手 vs 伊藤選手|“戦略変更”へのアプローチの違い
まず結論から言うと、この2人は戦略変更の考え方が真逆です。
● 小倉選手は「自分の型」を貫くタイプ
小倉選手は、基本的に自分のスタイルで試合を組み立てていくタイプ。
「まずは自分のパターンで押す」「それで試合を支配できるかどうかを確認する」——というのが、スタートの考え方です。
でも、当然相手によってはうまくいかないこともあります。
たとえば1セット目を6-2で落としたとき、「このまま自分の型でいくか、それとも変えるべきか」で迷いが出てくる。
しかも小倉選手は「まず1セットは試す」スタンスなので、戦略変更のタイミングが後ろにズレがちなんですね。
● 伊藤選手は「すぐに変える」派
一方で、伊藤選手は違います。
彼は「1ブレークされた時点で、試合の流れが相手にいきそうなら、すぐに変える」というスタイル。
「試合中に主導権を渡したくない」からこそ、早め早めに戦略を調整するのが特徴です。
しかも伊藤選手は、試合前から相手分析&戦略プランを複数持っておくという事前準備派。
だからこそ「このままいくか、変えるか」の判断が早くできる。
これは試合中に選択肢が多いという点でも大きなアドバンテージですね。
🔍 伊藤選手の“事前シミュレーション”がすごい
伊藤選手が特に印象的だったのは、「前日の夜に戦術シミュレーションをしている」という話。
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相手のプレースタイル
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過去の対戦データ
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苦手なショットの傾向
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セットごとの流れの予測
これらをノートや頭の中で整理しながら、複数パターンの試合展開を想定しておく。
つまり「試合中にいきなり考える」のではなくて、
「準備しておいた選択肢から選ぶ」っていう感じです。
これ、ジュニア選手や一般の選手にもぜひ取り入れてほしい考え方なんですよね。
🤔 なぜ“戦略変更”ってこんなに難しいのか?
戦略を変えるって、簡単に聞こえて難しいですよね。
その理由は、大きく分けて3つあります。
① 自分のスタイルを「信じたい」から
多くの選手は、「自分のテニスが通用するか」を確かめたい。
だからこそ、「まだ試していないだけかも」と思って、変更を先送りしがちです。
② 負けてるときに冷静になれないから
試合中に劣勢だと、焦りやイライラで思考が狭くなりがち。
その状態で「よし、変えよう」と切り替えるのは、かなり難しいんです。
③ 選択肢が“ない” or “少ない”から
実はここが一番の盲点です。
戦略を変えるには、そもそも「別の選択肢を用意しておく必要」があるんですよね。
だからこそ、伊藤選手のように“準備しておくこと”が大事なんです。
🧠 戦略変更のコツ:こんなときに見直してみよう
✔️ 1セット目を大きく落としたとき(6-1、6-2など)
→ 相手にハマってない可能性が高い
✔️ ブレークされた後にラリーが噛み合わないとき
→ 相手に流れを持っていかれているサイン
✔️ 相手のボディランゲージが余裕そうなとき
→ こちらのパターンに“慣れてきてる”可能性あり
このようなときに、「このままでいいのか?」と自問できるだけでも、試合は変わってきます。
📚 プレーヤーにおすすめの準備法
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相手の動画・データを見ておく
→ 苦手なショット・パターン・得意な展開などをざっくり把握 -
自分の得意パターンとその裏パターンを整理
→ フォア展開+ボディ狙い、+スライス混ぜ、など -
最低2つの戦略プランを用意しておく
→ Aパターンが通じなかったらBで、という思考を持つ
🔚 まとめ:戦略を変えられる人が、試合を変える
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自分の型を信じることは大事
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でも、通用しないときに“どう動くか”が勝負の分かれ道
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伊藤選手のように、準備とシミュレーションがあると強い
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小倉選手のように「1セット通して試す」のもアリ。ただし変える判断力も同時に育てたい
次の試合で「このままいくか、変えるか?」と迷ったとき、
今回の話をちょっとだけ思い出してみてください。
そして、**あなたなりの“変え時”と“選び方”**を持てるようにしていきましょう!
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